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星乙女の天秤
Hオンライン/CHO/など対人系ちょこちょこ。でも腕はしょぼいです(´・ω・`)初心者に優しい方向へ傾けたいです。 Thank you for your visit. I'm not good at English. Sorry Japanise only. XD
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2014-07-16 [Wed]
眠れないときにふと、何か楽しい話をというリクエストをされたので。
ちょっとこのブログの毛色とは違いますが…
そして楽しい話じゃないですが…

ひまつぶしにどうぞ。



忘れてしまった話

※注意:一部過激な表現ともとれる箇所があります。
食事中あるいはそうでなくても気分を害されたらすみません。
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昔々、(具体的には戦国時代とかその辺と思われる)
あちらこちらで戦の続いているとき、
戦士は大勢死に、農家も人出が足りず
どこも食べ物が不足して
泥棒は増え
世の中の人たちはみな苦しい思いをして生活していました。


ある戦場の近くで、
串焼きを売って歩いている白髪交じりのお婆さん
(この時代なので40~50代と思われる)
がいました。

安く暖かい食べ物に人々は列をなして買い求めます。
お婆さんのことはその辺でちょっとした評判になっていました。


ある日のことです。
常連の客がふとぽそりとつぶやきました。
「非力なお婆さんひとりで、肉とってさばいてるのかい?
…もしやその辺の戦場から取ってきた人肉じゃないだろうね」

-----------------------------------
この辺までがうろ覚えながらどっかで聞いた話。
肉売りのお婆さんがどうなったのかは全く覚えてません。

…気になってしょうがないので
勝手に先を作りました。

おそらく本来の結末と全然違うと思われます。
-----------------------------------

「馬鹿言うでないよ。これはその辺に増えてきた狼の肉さ」
それでは狼をどうやって取ったというのだろうか?
「肉しか売ってないのかよ。狼なら毛も売れるだろう」
「今はまだ暑くて誰も買わんじゃろ」

疑問が晴れない男は、こっそりお婆さんの後をつけて見る事にしました。

きっとわからないのをいいことに、人肉をあさって焼いて出してるに違いない。
俺がそれを見届けてみんなに言ってやる。


お婆さんはゆっくりながらしっかりした足取りで山の方へと向かいました。
手には木の桶とひしゃくを持ち、
途中で川の水を汲み休憩すると
後は休まずに奥まで歩いていきました。

だんだん辺りが暗くなって、カラスがぎゃあぎゃあ騒ぎ始めます。
薄気味悪くなってきた男は、辺りをおっかなびっくり見回しながら進んでいくと

たどり着いた先は戦場の跡。

ほれみろ、やっぱりか。
男は疲れを忘れてニヤリと笑いながらも
決定的瞬間を見てやろうとまだお婆さんの後を追いかけました。

お婆さんは大きな木の影にこしらえた
布を広げた屋根と下の敷物しかない所に近づきました。
そこには何かがいくつか横たわってます。
どうやら人間のように見えました。

お婆さんはひしゃくの水をすくうと、一人ずつ
首を起こして水を飲ませてあげます。
4回ほどそれが終わると、今度は布でざっと体を拭きました。
その後は懐から葉っぱの包みを出し、
中身を横たわる体のあちこちに塗りました。


人肉売りのババアなんてとんでもない。
あれは恐らく戦の関係で病や怪我をした人たちだろう。
それを看病していたのだ。


男が心を打たれ、日が暮れる前に帰ろうとした時でした。
何か悲鳴とも獣の鳴き声とも取れる声が辺りに響きます。

それを聞いた婆さんはすぐに顔を上げ、
懐刀を出して声の方へ駆けていきました。

男もそれを見て
お婆さんの行く先へ一定の距離を置いて
なるべく音を立てないように注意しながら
ぼうぼうの草むらの中を駆けていきました。


お婆さんは低木の下でうつむいていました。
周囲を注意深く見回し、
しばらく何も起こらないことを確認してから
その場に座り込み、地面へと刀を持った手を伸ばしました。

地面には穴が空いていました。
いわゆる落とし穴というやつでしょう。
刀で何度か突くようなことをした後、刀をそばに置き、
ゆっくりと、時間をかけて
穴の中のものを外へと引っ張り上げました。


遠目にみて、男にはそれが獣だということがわかりました。
おそらく、大きな犬のような狼のような…
お婆さんの言った事は事実だったわけです。

足と下腹、頭から血が流れており、動きません。
頭はたぶん、今しがたお婆さんが刺したものでしょうが
残りは落とし穴の底に何か仕掛けてあったと思われます。

その光景をしばらく見ていて、
男はある事に気づきました。

男は隠れていたのも忘れ、立ち上がり
もっと近くで見ようとお婆さんの方へ小走りに駆け寄りました。


なんだあれは
なんだあれは
なんだあれは


見間違いであってほしいとか思った一縷の希望は
打ち砕かれていきます。
そのうちお婆さんも男に気づいて身構えました。

「てめぇ、その白いものは」
言ってて声が震えそうになってるのが自分でわかりました。
「ああ、これのことかえ?」
お婆さんは狼の口を開けました。

今は屍となった狼の口から、白いものがはみ出ていました。
しっかりと齧りつかれたそれは、反対側から見るとよくわかりました。
指がいくつかついた、人間の腕でした。


「人でなしめ、鬼婆め。よくも、よくも人間を冒涜しやがって」
男は掴みかかり、お婆さんに詰め寄りました。
「人間を喰ろうたのは狼ではないか。わしらは共食いなどしとらん」
胸倉をつかまれたままでようやくそれだけ言いましたが、
「人を餌に狩りをしようなど、許されることではないわ」
「なんのことじゃ、わしは墓荒しを退治しとるだけのこと。お前さんは単に思い込みが激しく勘違いしとるだけじゃろうて」

男は少し頭が冷えてお婆さんから手を離しました。

戦場で死者を弔い、行き場のない生者を世話し
あまつさえ死肉を漁る奴らから守ってやっている。
言われればそうなのかもしれません。

「それにどうせ、人間は罪深き生き物じゃ。死体は何もせんでもそのうち朽ち、土に還り、そこから植物が育ち、その植物を動物が食べ、その動物を人間が食べる。巡り巡れば結局我らも人を食べてるのと変わらんではないか」

「それはやっぱり、戦場の人々を餌にしてるのを認めたということか?!」


男は自分の顔が熱くなるのがわかりました。
怒り心頭した男は、再びお婆さんに詰め寄り、飛び掛って









後に残ったのは、1匹の狼の死体と、倒れた1人の人間と
それを見下ろす1人の人間の姿だけでした。


ゆっくりと、夕陽が沈み、
夜を連れてきます。

そして、全ては暗闇に包まれていきました。


-----------------------------------------

誰かもしそれっぽい話を知っていたら教えてください。
やっぱ微妙すぎて、本当の事が気になって仕方ありません。

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無題
1 戦場近くで串焼きを売っていた婆をストーカーして、肉の出所を探る男。
2 婆は戦場に倒れている人を餌に罠をはり、狼を狩っていた!
3 マジキチ!
つりきち 2014/07/16(Wed)16:08:30 編集
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